文系社会人が大学レベルの数学と物理を学び直して。つまづくポイントや頻出定義など
社会人学生1年目が終了
正確には1月から期末試験期間に入るので学期自体はまだ終わっていないのだが、一通りの授業は受け終えたのでこのタイミングで振り返りをしておこうと思う。この1年で学んだことを羅列してみた。
物理(前期)
- 入門力学(落下運動、変数分離、減衰振動)
- 入門電磁気学(クーロンの法則、ガウスの法則)
- 入門相対論(ローレンツ変換、コンプトン散乱、ローレンツ変換)
- 基礎物理学実験
- 振動・波動学(減衰・強制振動、二重・多重振り子)
数学(前期)
- 数学序論(複素数、極限、微分、部分積分、置換積分)
- 微分積分学(極限、テイラー展開、広義積分、逆三角関数、双曲線関数)
- 物理数学(変数分離形、同次系、完全形、積分因子、2階線系、n階線系、微分演算子)
- 物理数学演習(変数分離形、完全系、ルジャンドル多項式、級数展開)
- ベクトル解析(勾配、発散、回転線積分、面積分、体積積分、ガウスの定理、ストークスの定理)
物理(後期)
- 入門力学(万有引力、相対運動、剛体の運動、慣性モーメント)
- 入門電磁気学(ビオサバールの法則、アンペールの法則、マクスウェル方程式)
- 力学(角運動量、剛体の運動、ラグランジュ方程式)
- 電磁気学(複素インピーダンス、ポインティング・ベクトル 、物質中の電場磁場)
- 入門量子力学(調和振動子、波動方程式、シュレティンガー方程式、電子スピン)
- 熱力学(熱力学第1、2法則、カルノーサイクル、エントロピー、エンタルピー、相転移)
数学(後期)
高校3年〜大学2年の理系科目を1年で猛追
理系の勉強をしたことがある方ならわかると思うが、内容的には高校3年の数学3C・物理〜大学2年の物理・数学までをこの一年で同時並行で学んだ。教養科目が全て単位互換で取る必要がないので物理と数学で授業は固められている。前期は月〜土の週6日、後期は火〜土の週5日、基本的に会社の仕事は17時〜18時で切り上げて、18時〜21時は毎日授業を受ける生活を送っていた。当たり前だがこの一年で飲み会に参加した回数は両手で数えるほども無いぐらい。期末試験期間は有給と夏休みを駆使して切り抜けたものの、あまりの疲労に最後は熱を出しながら試験に出る始末だった。
文系社会人が理系科目を勉強する壁
大学の授業では覚えるべき概念が高校の科目に比べて一気に増える。数学も物理もこれまで習ってきた定義をより深掘りして、さらにその導出に細かいテクニックが多数使われる。変数もギリシャ文字が多用されて初見では読むことがままならない。社会人が理系科目を学び直すにあたって、正直こればかりは慣れてくれとしか言いようがない。そのため多くの人は、この基礎固めの段階で挫折するのではないかと思う。イメージとしては数学に120時間、物理に80時間、できれば短期間で一気に概念理解から基本的な例題・問題を解くところまでやってしまうのが望ましい。
授業を改めて受けて感じるが、大半の授業は1から10の道のりを特にゴールを指し示すことなく、一歩ずつ進むような形式で講義が行われている。例外的に相対論などは最初にゴールを学ぶので頭に入ってきやすいのだが、それ以外の科目については基本的に全体感を掴むことなく断片的に講義が進む。これは結論ファーストを義務付けられるビジネスの世界の感覚とは、根本的に反りが合わない。結局、授業の理解は全体感が出揃う期末試験直前まで、よくわからないというのが正直なところだった。また大学の物理学科では、物理の概念よりも先んじて数学の知識(特に微分積分)が必須となる。どれだけ頑張って物理の概念を覚えても、数式として落とし込むことができなければ何の役にも立たない。話に聞いて頭で理解はしていたが、最初にこの感覚を身に付けるまでの壁はとても高かったと今でも感じる。
頻出する定義
以下の項目については、授業に関わらずあちこちで使われるのでまず最初に頭に入れておくことをおすすめする。
高校数学から離れていると、三角関数の微分やベクトルなど忘れてしまってることも多いと思うので一通り復習しておきたい。テイラー展開についても最初は公式を丸暗記で問題ない。大学の数学、物理では高校まで使っていた概念がどんどん相互に絡み合って、結果的に複雑な公式や概念がどんどん出てくる。独学で書籍を買っているとこれらの定義が何となく最初の方に出てきて特に注視することもないだけに、講義を受けて教授が重要な公式を繰り返し説明してくれることには意味があるなとも感じた。